推拿(すいな)とは

●病院で用いられる手技治療
推拿は漢方、鍼灸とならぶ中国の三大伝統療法の一つで、日本の按摩や指圧、マッサージに近い治療法です。
あまりなじみのない言葉ですが、「推」は押す、「拿」はつかむの意味です(ちなみに按摩の「按」も押す、「摩」はなでるという意味で、手法を表します)。
中国の病院には内科や外科のように「推拿科」が設けられ、専属の推拿医師が外来や入院患者の治療を行っています。中国では目の見える医師が治療目的で行う手技を「推拿」と呼び、按摩よりもメディカルな位置づけとされています。
推拿の特長は、痛みやこり、しびれなどの整形外科系の不調から、内科・婦人科系の不調にも対応できる幅広さです。手のひら、指、肘からくり出される連続した円運動をともなう推拿の手技は、らせんを描きながら深い不調のもとへ届き、自己治癒力を目覚めさせていきます。

●滞りを通せば痛みは軽減する
中国では古くから「不通則痛、通則不痛」という考えがあります。「通じないと痛い、通じれば痛くない」というもので、気・血・水の流れが過不足なく、滞りなく、体のすみずみまでゆきわたることが健康の基本であるという考え方です。
推拿では、術者の手が患者の通じていないところを探し当て、多くの手技を駆使して滞りが通じるよう働きかけます。
そうしていくことで、正気や血流、リンパ液の流れが改善し、痛みや疲労物質が流れ去るとともに、新鮮な酸素や栄養が体のすみずみまで届くようになるのです。

●腸は皮膚とも脳とも免疫とも関係が深い!
こちらでは下痢症や便秘、腸の癒着、不眠やうつ症状、美肌に効果のあるおなかの推拿も受けていただけます。
腸は皮膚と経絡でつながっているため、美肌にもとても重要な役割を担っています。また、セロトニンなど脳の働きを正常化する物質を作ったり、免疫を活性化させたりする役目も果たしており、「腸は第2の脳」と呼ばれるように人間の体の中でも重要な器官と考えられています。

腸に働きかけるおなかの推拿はやさしく、一度で効果の見えるものではありませんが、継続していくことで少しずつ効果を実感できるようになります。また、ご自分でできる「ひとりあんま」をお教えしますので、あわせて日々おこなっていくとより効果的です。